2016年4月4日月曜日

『市民派』とは

 個人に重きを置くか、個人を超越した存在に重きを置くかで、政治スタンスは大きく変わります。
 『市民派』と言っても、市民一人一人に向き合うのと、市民全体を一括りに捉えるのとでは大きな違いです。
 私は、社会の役割は個人の尊厳を守ることだ、と思っています。『尊厳』とは、言い換えれば『存在の価値』です。どんな価値があるかは見出す人によって様々で、無限の価値があるとも言えますが、その価値を守るという意味は、少なくとも価値を貶めない、ということです。社会のために個人の尊厳が奪われるなどは本末転倒です。
 しかし、集団にあっては、個人の権利はしばしば衝突します。そうした時に、強い者が優先され、弱い者が泣きを見るといった不条理は、第一義的になくすべきです。 一方で、公共事業は、限られた資源と財源を用いて最適化を図るため、個々人の損益より公共性を重視するべきです。まして公共事業が一部の強者を利することがあってはなりません。
 行政や政治に携わる者は、誰しも、利己のためでなく、市民のためを第一に考えていると信じたいですが、市民との双方向の関係が希薄であれば、市民ニーズを独り合点したり、自分の都合や論理に囚われてしまうこともあるでしょう。行政主導が招くそうした誤りを回避するには、透明化を図り、市民の多様な目で環視するなど、市民が行政に参加し共同することが必要不可欠です。とりわけ、市民の代表である議員が市民の声を反映するべく努めるべきです。

ただ現状を嘆くのではなく、その社会(問題)を構成する当事者として、何を目指し、その実現のためには何が必要で、何をしなければならないのか、を意識しながら、具体的に動くことが必要です。

いっしょに考え、いっしょに取り組みましょう! 

2016年3月25日金曜日

国の公共施設木造化政策を無視してきた藤沢市

事後保全から予防保全へ
藤沢市は、この3月、『藤沢市公共建築物長寿命化(予防保全)指針』を策定しました。これは、民間では定期的な修繕で長寿命化を図る『予防保全』が当たり前であるのに、公共施設は不具合が生じてから対処療法的に修繕する『事後保全』だったことを見直すというもので、何を今さら!と驚かれた方も多いかと思います。雨漏りなど、事後の保全では躯体への致命的なダメージが蓄積します。市内の公共建築物は、耐用年数が50年の鉄筋コンクリート造の平均建替え年数は38年だったということで、まさに『使い捨て』がまかり通ってきたのです。予防保全に転換するのは極めて良識的なことですが、しかし、全ての公共施設が対象ではないのです。私は、藤沢都心部再生・公共施設再整備特別委員会の委員として、策定過程で市から報告がある度に、以下の2点を指摘してきました。

なぜ長寿命化対象を1985年で切るのか?
 一つは、予防保全の対象を1985年4月1日以降に建てられた建築物に限定するという点です。耐震基準が大きく見直された建築基準法の改正が1981年で、その直後、公共建築物がひときわ多く建てられたので、1981年から1985年の間を長寿命化の対象から外すのは合理性に欠けます。

大規模公共木造建築物がない!
 そして、二つ目は、木造建築物を長寿命化の対象から除外している点です。市は、当初、市内には木造の大規模公共建築物がないからだと説明していました。確かにないわけですが、これ自体が非常に不可解なことです。

国は公共施設の木造化を推進
 2010年には「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が施行され、国は3階以下の低層公共建築物に関しては原則木造化を図る基本方針を打ち出しています。地方公共団体に対しても、これに準じた木材利用の方針策定を求めており、全国1741市町村の87%が策定しているのに、藤沢市は策定していません。そして、3階以下の低層公共建築物の建替えに際しても、市民の家や子どもの家など小規模なもの以外では木造化が全く検討されてきませんでした。他市町村では大規模な木造公共建築物が数多く建てられています。 木造の方がコンクリート造より安くできる場合や、個性的で温かみのある、思い入れのある建物が多いように思われます。素材としても、コンクリートは中性化による劣化は避けられませんが、木材は百年単位での長寿命実績がいくらでもあります。さらに、温室効果ガスである二酸化炭素の固定にも寄与します。
 本市でも、大規模公共建築物における木造化を推進し、木造公共建築物が造られた場合には長寿命化の対象としていくべきだ、と今回の代表質問で改めて指摘しました。これに対し、これからは、その方向で木造化を検討していく、との市からの答弁がありました。
 木造化の選択肢が加わることで、合築による複合化大規模化が必ずしも有効ではなくなるため、山積している公共施設の再整備計画も見直す必要があるでしょうし、藤沢市の街づくりに新たな観点が加わったように思います。

2016年3月11日金曜日

2月定例会で代表質問を行いました

代表質問とは
 1月1日付けで立ち上げた一人会派『市民派クラブ』として2月定例会に臨みました。2月定例会では、他の定例会にはある一般質問がありません。一般質問は全議員に1時間ずつの持ち時間があり、本会議で登壇します。これがない替わりに会派代表者が行う代表質問と総括の討論があります。代表質問は会派均等の10分+会派人数×10分、討論は会派均等の5分+会派人数×5分となっています。一人会派であってもこれらの権利が保証されており、代表質問は20分、討論は10分、正式な場で市の姿勢を問うことができるのです。
 この機会をフルに使い、市民の声を代弁するべく、市民感覚と市政とのズレを質しました。

質問項目
①藤沢市人権施策推進指針改定版における不適切な“日本人”や外国人という概念規定は改めるべきではないか。
②中学校で採用している公民教科書にある偏った女性観をどのように扱っているのか。
③『郷土愛』の多用は内心の自由を委縮させ、排他的な作用を及ぼしてはいまいか。
④『元気なまちづくり』のために、街頭で公務に従事する職員は特に意識して挨拶を奨励するべきではないか。
⑤大規模公共建築物においても木造化を推進するべきではないか。
⑥公民館の利便性を悪くしている「原則食事禁止」は緩和するべきではないか。
⑦昼休みに窓口業務を中断している部署が多いが、利用する市民の立場に立って切れ目なく業務を継続するべきではないか?まして、昼食をとるなどの休憩風景は窓口から見えないようにパーテーションを置くなどするべきではないか

2016年1月4日月曜日

市民派クラブ結成!

個人の尊厳を重んじ、力によらない問題解決、力によらない平和の実現を目指す日本国憲法の精神は、私の目指す生き方でもあります。その精神を反故にし、個別的自衛権ならまだしも、集団的自衛権までも可能にする昨年の安保法制は到底許容できるものではありません。
たとえ他の政策が優れていたとしても、世論を無視し、有権者に向き合うことなく強行した安保法制のやり方は、民主主義を蔑にする暴挙です。国の根幹に関わる政策なのですから、これを第一の争点に解散総選挙をするか、憲法改正以外にも適応できる国民投票制度をつくって実施するべきでした。
確かに現在の国会勢力図も民主的な選挙の結果です。しかし、国会は代議制による間接民主制なのですから、代議士たる国会議員はあくまで有権者の代表にすぎません。当然、全ての政策に関して全権委任されているわけではないのです。民主主義を担保する選挙制度の不完全性を補うためにも、議員が有権者の代表として、支持者だけではなく有権者全体に向き合い、合意形成をはかってこそ、民主主義を補完することができるのだと思います。しかし、支持母体や政党の論理で政治をわがもの顔に牛耳る政治家がいかに多いことか。そして、そうした政治家の怠慢を野放しにするおまかせ民主主義が蔓延っています。これらが、政治と民意の乖離、失望、他人任せ、の元凶なのだと思います。
組織の論理ではなく、市民の立場に立って行動する議員を増やしていけるかどうかは市民が声を挙げるかどうかにかかっています。投票による参政権を行使していない有権者が5割近くもいます。そうしたサイレントマジョリティが声をあげれば世の中は一変します。
元旦、私は、市民の側に立つ市民派市議であることを宣言するとともに、一人一人に向き合い、一緒に考え、一つ一つ地道に根気強く取り組んでいく決意のもと、新会派『市民派クラブ』を立ち上げました。

2015年12月16日水曜日

介護保険で可能な参政権支援

参政権の保証は公共の責任
 代議制民主主義において、選挙での投票は参政権行使の基本中の基本です。選挙にいく権利は等しく保証されなくてはなりませんが、体が不自由であることで投票所までいくことすら困難な方々がおられます。費用さえかければいか様にでもなるでしょうが、体が不自由なことで同じ公的権利の行使に負担の差が生じるのはおかしいことだと私は考えます。
選挙のための外出介助
 6月議会の一般質問では、投票所へ行くために介護保険の外出介助が利用可能であることを確認しました。市の答弁では「継続的かつ計画的にケアプランを作成すること」を強調していましたが、例えこれまで外出介助を利用していなくても、選挙を起点に外出介助を受け、その後の自立支援に繋がるようであれば可能であることを今回の答弁調整で確認しました。1時間未満であれば1割負担の場合430円程度で外出介助を受けることができるとのことです。是非、外出介助を希望される方は介護保険課に問い合わせてみてください。 選挙のための外出介助に関して、藤沢市では選挙管理委員会も介護保険課も、あまり意識がなかったようです。これからは様々な方法で周知していくことを6月議会でも確認していましたが、12月議会では、今年2月の市長選挙に向け、具体的な取り組みを確認しました。一般質問の通告を受けて介護保険課が市内のケアマネ366人に希望者の見込み調査をしたところ少なくとも30人ほどはいるとのことでした。まだ周知していない段階での見込みで、今後、広報への掲載や選挙管理委員会のホームページへの掲載、市内のケアマネ366人への周知徹底で、さらに利用者が増え、参政権を行使する一助となれば幸いです。
指定施設の不在者投票
 今回は50床以上の病院や老人ホームなどの指定施設での不在者投票の実態についても確認しました。51施設が指定されているにも関わらず、昨年の市議選では20施設で利用者がなかったそうです。また、未指定の対象施設は有料老人ホームなど20施設もあるそうです。選挙管理委員会としては、今後は積極的に指定施設、未指定の対象施設へ働きかけ、施設利用者への周知もしていくことを答弁しました。
 選挙管理委員会には、あらゆる手立てを講じて市民の参政権行使を後押しするよう、これからも働きかけていきたいと思っております。

受動喫煙防止体制の課題

 2007年に施行した『藤沢市きれいで住みよい環境づくり条例』には「何人も、公共の場所において、歩行するとき又は自転車等で走行するときは、喫煙しないように努めなければならない。2 公共の場所において喫煙しようとする者は、携帯用灰皿を携帯し、又は灰皿が設置されている場所で喫煙するとともに、他人に迷惑をかけないよう努めなければならない。」と努力義務を定めた上、主要駅(藤沢、辻堂、湘南台)に喫煙禁止区域を設定し、違反者には勧告、命令の後、命令違反に対して2万円以下の罰金までが規定されています。禁止区域外でも、タバコのポイ捨てを含む廃棄物の投棄を禁止し、こちらも2万円以下の罰金刑となっています。行政罰である過料を規定する自治体が多い中、藤沢市は刑事罰を科し、強い姿勢を明示しています。
 しかし、当初、市の幹部職員100人を指導員、市民200人を推進員とする300人体制で日常的な普及啓発活動をすることが想定されていたにもかかわらず、現状は啓発キャンペーンへの参加が主となり、警察OBの巡回指導員8名が禁止区域内を巡回しているにすぎません。禁止区域内でも指定喫煙所以外で吸う違反者を見かけるのは日常茶飯事です。禁止区域の設定には一定の効果があるものの、指定区域以外も含め、普及啓発活動のあり方を見直すべきであることを指摘しました。
 2003年に施行された健康増進法では「受動喫煙とは「室内又はこれに準ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされることをいう」」と定義があり、あたかも室外における受動喫煙を除外しているような書き方がされていますが、2010年の厚労省局長通知は「受動喫煙による健康への悪影響については、科学的に明らかとなっている」と明記するとともに、「屋外であっても子どもの利用が想定される公共的な空間では、受動喫煙防止のための配慮が必要である」と書いています。子どもの利用が想定されない公共的な空間などというのは風営法の対象施設くらいです。市の答弁で「公共的な空間については、原則として全面禁煙であるべきである」とする厚労省局長通知の基本的な方向性に本市も立っていることが確認できました。
 市は、オリンピック会場となったことも踏まえ、本市独自の受動喫煙対策の考え方を定めた新たなガイドラインの策定を進めていることを答弁しました。

現実味を帯びてきた長後の都市計画道路開発の課題

58年越しに本格化 
 長後は江戸末期に大山街道の宿場町として栄えた歴史ある地域で、現在は全体的には閑静な住宅地となっています。子どもも多く、長後小学校は市内でも有数の大規模校ですが、その長後小学校の真横に隣接する1957年に都市計画決定された『高倉下長後線』の開発が、50年以上の時を経て、市の道路整備プログラムで優先度1となっています。市は来年度中の都市計画変更、5年以内の着工を目指しています。
 道路整備プログラムは、現在未着手の都市計画道路13路線19区間に関し、市民アンケートを下にした開発必要性の観点ごとに重み付けを反映した有効性評価と、国交省の費用便益分析マニュアルによる費用対効果の算定によって優先度合を整理したものです。これ自体は住民要望とは関係のない評価であるわけですが、郷土づくり推進会議からの要望や毎年開催されている地区全体集会の声を踏まえて事業化に至ったとのことです。
合意形成の形骸化
 しかし、郷土づくり推進会議は開催日程や議題の広報がほとんどされておらず、公開されていても傍聴者がほぼいないのが現状です。また、全体集会についても加入率75%程度の自治会を通じて1カ月ほど前にチラシ配布をしたのみで、沿道住民でも忘れている人が幾人もいました。地域と市行政とをつなぐ重要な役割を担っている郷土づくり推進会議や地区全体集会ですから、ウェブや商店街の放送、チラシの全戸配布など、使える手段を駆使して広報に努めるよう指摘しました。 
地域づくりのグランドデザインは?
 この都市計画道路は長後にとっては一大転機となる約50億円規模の大型事業です。地域にとって実りあるものとするには、地域の未来をどう描き、どうそこにこの道路を位置付けていくのかといった、まちづくりのグランドデザインが必要です。そうしたグランドデザインを地域の人たちと一緒に描くことで、地域に根ざしたインフラ整備ができよう、私も、長後に住む市議として、役割を担えればと思っております。

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