2016年3月25日金曜日

国の公共施設木造化政策を無視してきた藤沢市

事後保全から予防保全へ
藤沢市は、この3月、『藤沢市公共建築物長寿命化(予防保全)指針』を策定しました。これは、民間では定期的な修繕で長寿命化を図る『予防保全』が当たり前であるのに、公共施設は不具合が生じてから対処療法的に修繕する『事後保全』だったことを見直すというもので、何を今さら!と驚かれた方も多いかと思います。雨漏りなど、事後の保全では躯体への致命的なダメージが蓄積します。市内の公共建築物は、耐用年数が50年の鉄筋コンクリート造の平均建替え年数は38年だったということで、まさに『使い捨て』がまかり通ってきたのです。予防保全に転換するのは極めて良識的なことですが、しかし、全ての公共施設が対象ではないのです。私は、藤沢都心部再生・公共施設再整備特別委員会の委員として、策定過程で市から報告がある度に、以下の2点を指摘してきました。

なぜ長寿命化対象を1985年で切るのか?
 一つは、予防保全の対象を1985年4月1日以降に建てられた建築物に限定するという点です。耐震基準が大きく見直された建築基準法の改正が1981年で、その直後、公共建築物がひときわ多く建てられたので、1981年から1985年の間を長寿命化の対象から外すのは合理性に欠けます。

大規模公共木造建築物がない!
 そして、二つ目は、木造建築物を長寿命化の対象から除外している点です。市は、当初、市内には木造の大規模公共建築物がないからだと説明していました。確かにないわけですが、これ自体が非常に不可解なことです。

国は公共施設の木造化を推進
 2010年には「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が施行され、国は3階以下の低層公共建築物に関しては原則木造化を図る基本方針を打ち出しています。地方公共団体に対しても、これに準じた木材利用の方針策定を求めており、全国1741市町村の87%が策定しているのに、藤沢市は策定していません。そして、3階以下の低層公共建築物の建替えに際しても、市民の家や子どもの家など小規模なもの以外では木造化が全く検討されてきませんでした。他市町村では大規模な木造公共建築物が数多く建てられています。 木造の方がコンクリート造より安くできる場合や、個性的で温かみのある、思い入れのある建物が多いように思われます。素材としても、コンクリートは中性化による劣化は避けられませんが、木材は百年単位での長寿命実績がいくらでもあります。さらに、温室効果ガスである二酸化炭素の固定にも寄与します。
 本市でも、大規模公共建築物における木造化を推進し、木造公共建築物が造られた場合には長寿命化の対象としていくべきだ、と今回の代表質問で改めて指摘しました。これに対し、これからは、その方向で木造化を検討していく、との市からの答弁がありました。
 木造化の選択肢が加わることで、合築による複合化大規模化が必ずしも有効ではなくなるため、山積している公共施設の再整備計画も見直す必要があるでしょうし、藤沢市の街づくりに新たな観点が加わったように思います。

2016年3月11日金曜日

2月定例会で代表質問を行いました

代表質問とは
 1月1日付けで立ち上げた一人会派『市民派クラブ』として2月定例会に臨みました。2月定例会では、他の定例会にはある一般質問がありません。一般質問は全議員に1時間ずつの持ち時間があり、本会議で登壇します。これがない替わりに会派代表者が行う代表質問と総括の討論があります。代表質問は会派均等の10分+会派人数×10分、討論は会派均等の5分+会派人数×5分となっています。一人会派であってもこれらの権利が保証されており、代表質問は20分、討論は10分、正式な場で市の姿勢を問うことができるのです。
 この機会をフルに使い、市民の声を代弁するべく、市民感覚と市政とのズレを質しました。

質問項目
①藤沢市人権施策推進指針改定版における不適切な“日本人”や外国人という概念規定は改めるべきではないか。
②中学校で採用している公民教科書にある偏った女性観をどのように扱っているのか。
③『郷土愛』の多用は内心の自由を委縮させ、排他的な作用を及ぼしてはいまいか。
④『元気なまちづくり』のために、街頭で公務に従事する職員は特に意識して挨拶を奨励するべきではないか。
⑤大規模公共建築物においても木造化を推進するべきではないか。
⑥公民館の利便性を悪くしている「原則食事禁止」は緩和するべきではないか。
⑦昼休みに窓口業務を中断している部署が多いが、利用する市民の立場に立って切れ目なく業務を継続するべきではないか?まして、昼食をとるなどの休憩風景は窓口から見えないようにパーテーションを置くなどするべきではないか

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